「以前寒に晒した福井県産玄ソバを製粉後に打ってみました。」
ちょっとご報告が遅れましたが、以前越前市(旧今立町)の厳寒の清流に晒した玄そば、「ふくい越前寒晒し蕎麦」を挽き上げてみました。
「寒に晒した後は、玄ソバの乾燥に一カ月程度かかる」
1月29日に寒晒し開始。約2週間経過後の2月9日に川から引き上げました福井県在来種の玄ソバ。自社にてお天気の日は天日に干し、それ以外は室内にて乾燥。室内では扇風機で風を送っていました。数日後、最初は湿っていた玄そばも次第にパラパラの状態になってきて、手で握るとしっとりとしておりました。感触としては畑で収穫した直後の玄そばの状態でしょうか?
その後約一ヵ月間の間天日干しなどで乾燥にかけ、3月の中旬には挽ける状態となりました。含水比計測器にて測定しますと含水率は約16~17%でした。若干含水多めでございますが、まあ大丈夫でしょう。
さて、3月中も製粉業務に忙しく、なかなか挽くことができませんでしたが、少し落ち着いた日にさっそく弊社の石臼にて挽いてみました。弊社で通常挽いております「挽きぐるみ」との比較もしてみたいと思い、丸抜き(抜き実)挽きから変更して「挽きぐるみ」にて挽き上げてみました。
「ふくい越前寒晒しそばを打ってみての感想は?」
さて、打ってみた感触としましては、今回は配合九割蕎麦にて打ってみましたが・・・加水率は約43%程度の水を加えましたが結構柔らか目気味でした。蕎麦粉自体に含んでいる含水比率が高いためと思われますが、非常に打ちやすかったです。そばの打ち上がりの状態です。太めに切りましたので噛みしめながら「越前寒晒し蕎麦」の出来具合を楽しんでみたいと思います。
「肝心の寒晒し蕎麦のお味の方はどうでしょうか?」
さて、いよいよ試食です。寒晒し蕎麦の味を確かめたいため今回は塩につけていただきました。出来上がりの見た目はいつもの「挽きぐるみ」とさほど変わらないようでございます。そばの実に含まれている余分な灰汁や、雑味を除去することで、上品な甘みのある、より香り豊かな喉ごしの良い蕎麦になるとのことですが・・・一口食べてみると蕎麦の香りが広がり、風味もあります。甘味が増すといわれておりますが・・・気持ちあるような・・・やはり寒に晒すことで雑味がとれたのかあっさりした感じでございます。シコシコとした麺は喉越しもよく、するすると食べてしまいました。
しかし蕎麦一つとっても全国では色んな食べ方や工夫が凝らされております、蕎麦という食べ物が昔から親しまれていたのを改めて実感しました。今回は初めての挑戦だったので文献を読みながら自己流での挑戦だったため、もう少し研究して是非来年も挑戦してみたいと思っております。