ふくい越前の地で寒晒しそばに挑戦してみました。

「”寒晒しそば”とはどんな蕎麦なのだろうか」

「寒晒し蕎麦」とは!?秋に収穫されたそばの実を冬の大寒の頃に厳寒の清流の中に10日間ほど浸し、その後、引き上げ天日の下で寒風にさらしながら20日ほど自然乾燥にて、除々に水分を抜き乾燥させた蕎麦の実を製粉し蕎麦切りにしたものです。

「寒晒しそばの歴史」

江戸時代に諸国266藩から将軍家への献上物は、季節ごとに献上品が定められおり、そのうち蕎麦(そば)は、今も名産地とされる土地の9藩から献上され、夏の土用そばとして「暑中寒晒蕎麦」を信濃国伊那郡高遠藩と、信濃国諏訪郡高島藩の2藩が献上していたとのことで、当時の庶民は決して食することのできなかったプレミア蕎麦だったそうです。その製法は元禄期の「本朝食鑑」という本に書かれており、これを基に山形や長野など各所で復活されているとのことです。

「ふくい越前でも寒晒しそばに挑戦してみた」

さて、このような記事を見てみると「寒晒し蕎麦」に挑戦したくなり、昨年から年が明けたらやってみようか?と言っておりましたが本当にやってみました。

そうなると玄蕎麦を晒す場所です。福井県の名水・湧水・霊水にも指定されている、越前市赤谷の「瓜割清水」赤谷集落に入ってすぐの東側の山裾にある名水スポットで、かつて水に浸けた瓜が割れたことから、地元では「瓜割清水」と呼ばれ長く親しまれてきております。

側には不道明王が祀られており、眼病に効果があるともいわれ、地区の住民により長寿の水として親しまれている。1000年も前から涸れたことがないと言われ、遠方からこの湧水を汲みに訪れる人も多いとのこと。そのさらに上流に昨年収穫された福井県在来種玄蕎麦をメッシュ袋に詰め流水に晒してきました。

越前市赤谷の「瓜割清水」
越前市赤谷の名水「瓜割清水」
メッシュ袋に詰めた福井在来種玄ソバ
メッシュ袋に詰めた福井在来種玄ソバ約半俵
最上流の清水にて玄ソバを寒に晒す
最上流の清水にて玄ソバを寒に晒す

「寒に晒すと蕎麦にどのような効果をもたらすのか」

寒に晒した蕎麦の実を製粉したそば粉で打った蕎麦はアクが抜け舌ざわりが良く、甘みのある純白な味わいの蕎麦になるといわれております。また、麺がシコシコ・モチモチとした食感が味わえ、茹でても白い色が変わらないといわます。

「寒晒しそばによる栄養と効能」

さらに、栄養学的にも、寒に晒す事で有効成分であるギャバ(γアミノ酪酸の事。アミノ酸の一種で血圧低下や肝機能腎機能改善、血糖の抑制などの効果があるとされている成分)が増加したり、そばに含まれるデンプンの消化速度が約20%も速くなり少量で満腹感が得られるなどの効果もあるとのことです。

2月の上旬には引き上げ、天日にて自然乾燥させてみたいと思っております。その後、玄蕎麦は丸抜きにして弊社の石臼にて挽きあげてみたいと思っております。さてさて出来上がりはどうなるか?こうご期待!