平成27年福井県越前産玄そばの収穫から乾燥・検査が全数無事終了した。

玄そばの収穫から乾燥・検査も無事終了

11月17日より当社のホームページもリニューアルいたしまして、今後は「ふくい越前粉屋まッサンのブログ」もこちらで更新することになりました。どうか今後とも何卒よろしくお願いいたします。

普通そば及びだったんそばに係る農産物検査規格改正

ホームページリニューアル準備に追われていまして、旧ホームページでは、今年度の栽培・収穫状況などはずっと更新しておりませんでしたので、今回はいきなり飛びまして玄そばの検査状況についてになります。

その検査ですが平成27年産からの普通そば及びだったんそばに係る農産物検査規格が大きく変わりました。
主な改正の内容としては、
①等級区分が、「3等級」から「2等級」に簡素化された。
②形質(外観のみばえ)を重視した検査規格から、容積重(普通そば)又は粒度(だったんそば)を重視した規格に改正された。の2点になります。

検査規格のポイントとしては、
①等級区分は、「2等級」に簡素化(1等・2等・規格外)
②「形質(外観のみばえ)」は、規格から削除
③「未熟粒」は、規格から削除
④「容積重」の最低限度の引き上げ(1等640g/ℓ、2等580g/ℓ)
⑤「水分」の最高限度は従来通り(16.0%)
⑥「被害粒」単独での最高限度が設定(1等5%、2等15%)以上のように、昨年に比べて大きく変わりました。

等級区分が、「3等級」から「2等級」に簡素化

昨年度まであった3等級の等級が無くなり、1等級・2等級・規格外に変わりました。このことから2等級の次は規格外になり、昨年度より若干厳しめになったという感じです。今年は無事1等級で帰ってきました。因みに「未熟粒」は、今年の規格から削除となっておりますが、はやりの「早刈りそば」でも規格を満たすようにされたのかもしれませんね。

玄そばの規格は1等級・2等級・規格外
〇の真ん中に点が付いているのが1等級の印

形質重視した検査規格から、容積重重視した規格に改正

形質重視から、容積重重視への改正について、容積重の計測はブラウェル穀粒計で測定した1リットルの重量をいいます。この値が大きいほど、玄そばの調整がよく仕上げてあり、そばの実が充実しているということになります。この基準値も昨年よりも引上げされてきており、玄ソバ自体の品質が重要視されてきたということです。今回の検査では、1等640g/ℓの基準を大きく超えて、700g/ℓオーバーという結果もありました。今年は弊社でも乾燥作業後の調整作業にもかなり気を使っており、また玄ソバ自体もよかったので非常に良い結果が出ました。

容積重の測定はブラウェル穀粒計で測定した1リットルの重量をいう
容積重の測定はブラウェル穀粒計で測定

玄ソバの等級検査の状況

持ち込んだ玄そばから、細い試料採取用のスコップみたいなもので玄そばを抜き取り、試験にかけられます。今年最初の検査は、規格も大きく変わったということでちょっとドキドキしました。いや、かなりドキドキしました。

玄そばの抜き取り検査
抜き取り試料採取された玄そばで検査を行う

玄ソバ水分量の最高限度は従来通り16%

玄ソバの管理で重要なのが、玄ソバ自体の水分量となります。仕上がり15%程度だと、製粉後のそば粉を握ると手の跡が残るようなしっとり感と、蕎麦自体の風味と香りが残るそば粉に仕上がる水分量になります。また、基準値は16%以下となっておりますが、これは玄ソバの保管(カビ防止)などを考慮しての基準値となるかと思われます。弊社での乾燥作業でも、刈取りされた玄そばの湿潤状態や、その日の天候・気温・湿度などを考慮して乾燥数値調整を行います。これが中々ベスト(自社基準15%)の水分量になるように行うのが難しい。これまでの経験や勘などに頼ることになります。また、乾燥された玄そばは、玄そば自体が生きているため、水分を取り戻そうとします。この”戻り”を計算に入れて乾燥することも大事な要因となります。

玄そばの水分量の測定
玄そばの水分量の測定

弊社にも水分計測器がありますが、乾燥作業中は随時計測しながらの作業となります。この計測器すごく高いです。一台10万円以上します。ですので、うっかりと床に置き忘れて倒して壊すことのないように非常に気を使います。通常時は、収穫された玄そばは一年を通して低温倉庫に保管されておりますが、製粉前にも半俵袋ごとに計測をして、個別の玄そばの水分量のチェックなどにも使っております。

ケット科学研究所の水分計測器
弊社の水分計測器

製粉所の一年で2番目に慌ただしい次期が終わろうとしている

先日検査も全て終了し、検査を終えた玄そばも会社に無事に戻ってきました。収穫・乾燥・製粉と同時進行の、一年で2番目に慌ただしい時期もようやく終えようとしております。今年はそれに加えて、PTA行事や地域の行事への参加要請などが重なり、ほとんどお休みがありませんでした。もうしばらくすると製粉所にとって一年で1番慌ただしい年末がやってきます。それまでに体調を整えて準備したいと思っております。