令和5年福井県産秋ソバ栽培状況9月下旬の状態は?

「播種後から9月を迎えソバ圃場も少しずつ秋らしく・・・」

 気温が30度を超える真夏日が続いておりましたが、少しずつ季節は秋らしくなってきております。朝晩が涼しくなってきたので過ごしやすい日が増えてきておりますが、秋ソバの生育状況はどうでしょうか?

「9月の中旬の自然の景色が心地いい」

 8月上旬播種後の天候は連日30度を超える真夏日が続いていたので、播種後も中々芽を出さない状態が続いていました。少々心配でしたがその後、圃場を塩梅よく湿らす程度の雨が降り、芽が出ていない部分からも遅れて発芽が見られたのでホッと一安心でした。9月に入ってからもぼちぼちと雨降りがありましたので、徐々に発芽した芽は背丈を伸ばして圃場一面が緑になり、早いところから花を咲かせてくれました。

令和5年福井県産秋ソバの播種後の圃場状況

 風に揺られてフラフラと揺れ動くソバの花からは独特の匂いが漂ってきます。今日も事務所の窓を開けておくと、周辺のソバ畑から匂いが漂ってきますが、順調に育ってきていて、豊作で出来の良い年はこの匂いが強く出てきております。という事は今のところ今年の出来には期待してもいいかもしれませんね。

令和5年福井県産秋ソバの播種後の圃場状況

「秋らしいお天気の中ソバ畑に立ち寄ると」

 少し汗ばむ暑さですが徐々に秋っぽい風が吹いてきております。こちらの圃場は山間にある圃場ですが、播種後の状態も良く元気にワッサワッサと生えております。この日は快晴で青々とした空と緑のソバ畑のコントラストが映えます。

令和5年福井県産秋ソバの播種後の圃場状況

 ソバの花は実は2種類存在し、それは長柱花と短柱花の2種類になります。長柱花とはめしべが長くおしべが短い。逆に短柱花とはめしべが短くおしべが長い花をいいます。これは同一種の植物中でも、その株によって構造が異なる植物学上では異型植物といわれるものになります。花の構造の違いだけにとどまらず、結実するための受粉と大きな関係をもっています。通常の作物が1種で受粉を行って結実するのに対し、ソバはこの2種を昆虫などによって受粉させる、「他家受粉」という方法でなければ結実できない仕組みになっています。さて、畑に近寄ってみるとチョウチョやハチなどの虫たちが飛んでいます。虫たちや風の力を借りて受粉し、たくさんの実をつけて欲しいですね。

令和5年福井県産秋ソバの播種後の圃場状況

 越前市周辺で9月の中旬頃ですが、一時強烈な雨が降った影響がありました。時間当たりの降雨量も多く、圃場内でも倒伏した所が見られますが、現在の所何とかいい感じで経過しております。収穫まであと少しですので、これ以降秋晴れの中順調に育って欲しいものです。日々状況を確認しながらまた報告したいと思います。