「梅雨と間違えるような延々と降り続く雨」
お盆のお休みも終わり、いよいよ8月も下旬を迎えようとしておりますが、こちら福井県でも何日も続いた大雨により、せっかくソバ種を播種した圃場も残念な場所が多くみられます。
「秋ソバの播種作業が7月下旬から8月上旬にかけて行われました」
7月になって早々夏らしい炎天下の日が見られるようになってきましたが、福井県越前市では令和3年産の秋ソバの播種作業を7月下旬から8月にかけて行われました。ガンガンに暑い日差しが当たる炎天下の空の下で作業が行われました。
播種前の草刈り・耕起作業や播種作業中のソバ圃場には鳥たちが獲物を求めてたくさんの数がやってきます。上手なことに、どんなに夢中になっていても機械にぶつかることはなさそうです。上手によけて圃場内をうろつき回っております(汗)
種を撒き終えたソバ圃場です。ここで軽~く湿らす程度の雨があるとすぐに芽を出し始めます。と言って圃場が滞水するような大雨や長雨はソバの栽培には禁物です。この時期の天候の良し悪しがその後の生長具合に大きく影響を与えます。だからこの時期はとても心配です。天気予報を毎日見ながらあまりよろしくない予報だととても悲しくなります。
昨年(令和2年産)の秋ソバは近年では久しぶりの大豊作の年でした。通常ですと一反当たり一俵(45kg)の収穫量があれば「結構収穫できたね!」という感じでしたが、昨年は反当り一俵半といつもの年の1.5倍以上収穫があり、良いところでは二俵程度の収穫量があったソバ圃場もありました。
しかし、このような嬉しい年に限ってコロナ禍の拡大により、全国的にも飲食店の営業自粛などの影響もあり、需要と供給のバランスがかなりずれた年になってしまいました。非常に残念なことです。
「ソバ種を播いてからは数日で芽が出ます。ソバは生長が早いのです」
さて、播種後数日もするとこのように緑色の芽がポツポツと顔を出してきます。撒いた筋に沿って綺麗な線になっているのが分かるでしょうか?これが時間が経過するにつれ段々と大きくなり、上手くいくと圃場全体が緑色になります。
まだ数センチの芽ですが、可愛らしくぽつぽつと出てきております。余談ですが、娘の夏休みの自由研究で季節的にもちょうどよかったので、ソバの栽培実験をしていたのですが、水を少々湿らせたベースに種を置いておくと、なんとわずか12時間で種の先っぽから小さな芽を出し始めました。種が目を覚ますと行動が早い(汗)こんなに早く芽を出すのを見ていると、アニメ映画の「となりのトトロ」を思い出します。ソバ圃場でも夜にトトロが踊っているのだろうか・・・いや冗談です(汗)
「8月のお盆前頃から不穏な天候が続き始めた結果・・・」
そんなノホホンとしたことを思いながら数日を過ごしていたのですが、お盆も近づいたこともあり、直前のそば粉の製粉発送ラッシュが始まり、「これがすんだらお盆休みだな」なんて思っていたら、天気予報では、この時期には信じられないような大雨の予報・・・特に九州地方などはとてもひどい状況でした。お客様の住んでいる街などがテレビで流れているととても心配でなりませんでした。こちら福井県でもかなりの降水が長時間にわたって続き、また時には時間当たりの降水量も信じられない位の量が降ったせいで土砂災害や河川の氾濫の恐れがある日が続きました。
この期間毎日何回も圃場を見て回っておりましたが、水没した圃場を見たときには愕然・・・かなりの圃場が滞水してしまいました。ようやく晴れ間が見えた頃に見渡しても結構な範囲で収穫が期待できない感じの圃場が見られます。お天道様に文句を言っても怒っても仕方ないのですが怒りたくなってしまいます。
昨年と打って変わって厳しい状況での8月下旬を迎えており、これ以降もしばらく心配な気持ちが続きそうですが、状況を確認しながらまた報告したいと思います。