2014年6月。遠く離れたスロヴェニア共和国のヘレナ・ドルノウシェク・ゾルコ駐日大使が福井県にご来訪された時のことです。大使は、いろんなご縁が重なって、地元・越前市のとある写真コンテストに審査員に参加されていました。越前市内を視察後、歓迎パーティーへご招待したわけですが、そこで私、粉屋のまっさんが自慢の手打ち越前おろしそばをふるまったわけです。
大使は「美味しい!」と言ってくれました。そして…。さらにこんなことを話してくれたのです。「ヨーロッパにもそば粉を使った料理があるわよ!」と。そこで粉屋のまっさんはふと考えました。(じゃあ、福井のそば粉でヨーロッパの料理を作ったら、どうなるんだろう…)。で、作ってみることにしたわけです。
実は、素材はすでに決めてました。粉屋さんを始めた時から福井県産のそば粉にこだわってきたまっさんとしては、できる限り福井産の食材で作りたかった。小麦には、小麦の地産地消という福井県民の願いを叶えた「ふくこむぎ」を。塩には、越前町で職人が仕上げている「越前塩」を。それぞれ、いろんなの知り合いから聞いて知っていたので、早速手配しました。
まずは、とにかくカタチに。粉屋の仕事で生まれた人脈をたどり、乾麺を製造できる人を見つけて依頼し、そば粉からパスタを作りました!そして、早速、市販のレトルトソースをかけて試食したわけです。が…、そばの香りが全くしない。いわゆる、単なるパスタでした…。大変だったのはここからです。
そばパスタに合うそば粉を作りあげるため、そば粉の挽き方を何回も変えて、試作。挽いては試作。なかなか求めていた形にはなりません。蕎麦ならではの風味とパスタらしい食感を兼ね備えた「そばパスタ」を産み出すために挽き方を変え、配合を変えチャレンジ。「蕎麦ではない」「パスタでもない」、「そばパスタ」になるため、何度も挑戦したわけです。
そして、1年が経過…。ついに、ついに!完成しました!!!袋を開けた時にふわりと漂うそばの香り。口に含めば、もちもちっとパスタの食感が楽しめる。まさに、ちょうど良い具合のそばとパスタのマッチング!あとは、これを活かすレシピさえあれば…。ということで、知り合いのシェフ(城山氏)に相談に。何とも理想的なレシピを考案してくれました!